一見すると見分けがつきにくい、グラベルバイクとシクロクロスバイク。
ぱっと見の特徴は両者大きく違いはありません。
両者ともドロップハンドル、オフロードタイヤ、ロードバイクに似たフレームを共有しています。
本記事ではグラベルバイクとシクロクロスバイクの違いをわかりやすく確認し、大事なバイク選びであなたがどちらを検討すべきかの手助けができればと思います。
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目的の違い
シクロクロスバイク
グラベルバイクとシクロクロスバイクの違いを理解するための手っ取り早い方法はその目的を理解することでしょう。
シクロクロスバイクは最大限速度を維持したまま決められたコースを周回するために作られたいわばレーサー。
コース自体もとてもテクニカルなものが用意されることが多く、鋭いハンドリングを行う機動性はほぼ必須。そしてロードレースよりも激しいことで有名なシクロクロスはアグレッシブなライディングポジションであることも重要な要素です。
レースで使用されることからUCIによる規制も入っており、厳しい規則の中自転車メーカーはシクロクロスレーサーの開発を行なっています。かたやグラベルバイクはこのようなUCI規則の対象にはなっていません。
プロのレースを管理するUCIの特定の規則も、シクロクロスバイクの製造方法を規定しています。今のところ、少なくとも、グラベルバイクはこのようなUCI規則の対象ではありません。
たとえば、UCI認可のシクロクロスレースに参加するためには、幅33mm以下のタイヤを使用する必要があるため、シクロクロスレースバイクがこれを超えるクリアランスを持っていることはほとんどありません。
グラベルバイク
シクロクロスバイクとは違い、グラベルバイクは数日間のバイクパッキングアドベンチャーや、自宅近くの探検などさまざまな目的に適応できるよう設計されています。
その結果、グラベルバイクの目的は広範囲にわたり、メーカーによって得意な分野など異なった設計思想によりバイクデザインはメーカーによってさまざま。さらにUCIの規制も入っておらずメーカーの設計思想が色濃く反映されているモデルが多いです。
特に快適性やバイクパッキング時の積載性能を向上させる設計が人気を持っています。
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バイク形状の違い
ほとんどのグラベルバイクは、シクロクロスバイクよりもリラックスした快適性を重視したジオメトリをしています。この理由はシクロクロスレースのように約1時間の激しいレースではなく、数日間にわたるようなロングライディング用に設計されており、ルート上に現れるラフなトレイルを探検するために設計されています。
快適さを向上させるためには、シクロクロスバイクより短いリーチと直立した体のポジションである必要があり概ねこのようなジオメトリーとなっています。グラベルライディング時の速度はレースに比べ速くなることは少なく空気抵抗に対するエアロダイナミクスも優先度は低くなります。
重心の高さ
グラベルバイクのBBは低めに設計されていることが多く、これは重心を低くすることによる安定性、テクニカルなセクションでのバイクの乗り降りをしやすくするなどのメリットがあります。
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タイヤクリアランスの違い
プロレベルのシクロクロスレースでは、規則により幅33mm以下のタイヤに対応するためにタイヤのクリアランスが比較的狭くなっています。
またシクロクロスタイヤは、泥用の超アグレッシブなトレッド〜乾いたクロス用のファイルトレッドまで選択肢があり草や泥を想定して設計されているため、グラベルタイヤよりも柔らかいコンパウンドを使用しています。
さらにシクロクロスタイヤは、グラベルタイヤほどのパンク防止機能を備えておらず、レース用に軽量でしなやかになるように設計されています。
グラベルバイクは、シクロクロスバイクよりもタイヤのクリアランスが広く、40mm以上のグラベル専用タイヤが装着されていることが多いです。最新のフレームともなると幅が最大数インチ(約50mm)のタイヤ用のスペースを持っているものもあります。
幅の広いタイヤは、ロングライドでの快適さを確保するだけではありません。ライダーはより低いタイヤ空気圧を選択できるようになり、ルート上の岩などのよりテクニカルな地形に挑戦できるようにするために非常に重要な要素です。
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ギアの違い
シクロクロスレースでは、短い登りのスプリント、泥エリアに対応するためのギアが必要です。そしてそれは最終的にかなり狭いギア範囲でまとまります。
これまではフロント2が一般的でしたが、近年のシクロクロスバイクのほとんどはフロントはシングルギアになっています。これは軽量化のためだけでなく、泥が蓄積することでの影響を抑える役割もあります。
一方グラベルバイクの走行シーンはとてもさまざま、舗装路〜河川敷、パッキング用の荷物を積んだ世帯での山岳ルートまで、はるかに広い範囲の地形で乗れるように設計され、広範囲を守備する広いギアが必要です。
シクロクロスバイクではフロントシングルが一般的でしたがグラベルバイクではそうではありません。ライダーの好みによるところが多いのですが走行するオフロードのシチュエーションによってフロント変速を利用する人も多くいます。
フレームオプションの違い
生粋のレースバイクであるシクロクロスバイクにはマッドガードはおろか、ラックやマウントが無いことは不思議なことではありません。それだけでなくボトルマウントも一つしかないものもあるほどにシンプルです。シクロクロスのレースは1時間のレース時間になることがほとんどでありその時間に必要とするボトルが一本であると考えられているからです。
グラベルバイクに関しては複数のボトルゲージはもちろん、カーゴ用のマウントやラック、フォークブレードマウントを備えるものも少なくありません。
一部のフレームには、補給食に素早くアクセスするためのお弁当箱のようなトップチューブボックスのためのマウントも備わっています。
マッドガードはグラベルバイクにとって非常に一般的な装備です。
バイクパッキングを考えている人は確実にグラベルバイクを選択するようにしてください。
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コンポーネントの違い
UCIの規則でシクロクロスハンドルバーの幅は50cmを超えてはならず、ライダーは自分の体格に合わせたハンドルバーを選択することがほとんどです。
かたやグラベルバイクにおいてはUCIの規則がなくより広いハンドルバーの人気が高まっており、ハンドルのドロップ部分のフレア形状にも変化が出ています。特にグラベルを愛するライダーには大きなフレア形状のハンドルバーが人気です。
このような快適性の向上を狙った機構にはスペシャライズドのフューチャーショックのようにメーカー独自の機構も多く採用されています。
シクロクロスバイクはグラベルに使えますか?
¥345600 (11%オフ)
¥559000
グラベルバイクをシクロクロスレースに使用できますか?
ワールドクラスのレースに出場しない限り、タイヤの幅が33mmを超えても、ハンドルバーの幅が50cmを超えてもほとんどのレースでは問題ないでしょう。※事前にレギュレーションを確認しましょう。
結論:シクロクロスバイクとグラベルバイクの違い
- フレームジオメトリー
- 積載性能
- タイヤの選択肢
- ハンドルバーの形状
- サスペンションなどの有無
が違っています。
例えば大元にグラベルバイクがあり、シクロクロスバイクは1時間という限られたレースで勝利するためにレースの条件や勝利するために必要なものに特化、または不要なものを可能な限り取り除いた自転車です。
どちらのバイクでもお互いのフィールドを走ることは可能ですが、より楽しく、生き生きと輝けるのはやはり専門のバイクと言えるでしょう!
あなたはどちらがお好み?