鮮烈なツールドフランス優勝から１年が経ち、またツールドフランスの季節がやってきました。
前年度にも増し大荒れのツールドフランス2021ですが、一人暴れまくっている男がいます。
はい。
タディ・ポガチャルさんです。
前回は彼の生い立ちをご紹介しました。
タディ・ポガチャルという男。[caption id="attachment_14570" align="aligncenter" width="750"] https://www.instagram.com/tadejpogacar[…]
今回はUAEチームエミレーツに加入してからのプロサイクリストとしての彼に迫ってみましょう。
UAEチームエミレーツでのポガチャル
かなり愉快な連中の集まりwww https://www.instagram.com/tadejpogacar/?hl=ja
UAE チーム・エミレーツ（UAE Team Emirates）は、アラブ首長国連邦で活動するロードレースチームです。
現在世界で18チームあるUCIワールドチームに所属しており世界最高カテゴリーのチームとなっています。
UAEのバイクスポンサーにはコルナゴやカンパニョーロがついています。
ツールドフランス2020の第１ステージでUAEのスプリンターであるアレクサンダー・クリストフが勝利し、最初のマイヨジョーヌを獲得したことはまだまだ記憶に新しいでしょう。
この年のツールドフランスはユンボ・ヴィズマが完璧とも言えるレースコントロールを行い、誰もが今年はユンボのエースであるプリモシュ・ログリッチが勝利するだろうと予測していました。
ポガチャルも幾度となくログリッチと激しく戦いますが両者一歩も譲らない攻防が続き決定的な差は生まれませんでした。
そして迎えた運命の日。
シャンゼリゼ前日の最終決戦タイムトライアルステージ。
これまでユンボのチーム力やログリッチにつけられた大きなビハインドをひっくり返し、ポガチャルは常識を覆す走りで勝利しマイヨジョーヌを手に入れます。
大方の予想を裏切り、UAEはこの年ツールドフランス優勝チームに輝くと共にチーム最大の勝利を手にします。
前回もご紹介しましたがポガチャルの主な戦績の大半はUAEでの活躍になります。
戦績
- ツール・ド・ラブニール 総合優勝
- ジャパンカップ クリテリウム スプリント賞
- ヴォルタ・アン・アルガルヴェ 総合優勝、 ヤングライダー賞
- イツリア・バスク・カントリー ヤングライダー賞
- ツアー・オブ・カリフォルニア 総合優勝、 ヤングライダー賞
- スロベニア選手権 個人タイムトライアル 優勝
- ツアー・オブ・スロベニア ヤングライダー賞
- ブエルタ・ア・エスパーニャ 総合3位、 ヤングライダー賞
- ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ 総合優勝、 ヤングライダー賞
- UAEツアー 総合2位 ヤングライダー賞
- スロベニア選手権 個人タイムトライアル 優勝
- ツール・ド・フランス 総合優勝
- 山岳賞
- ヤングライダー賞
- 区間3勝（第9, 15, 20ステージ）
- UAEツアー 総合優勝、 ヤングライダー賞
- 区間1勝（第3ステージ）
- ティレーノ〜アドリアティコ 総合優勝、 山岳賞、ヤングライダー賞
- 区間1勝（第4ステージ）
- イツリア・バスク・カントリー 区間優勝（第3ステージ）
- リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ 優勝
- ツアー・オブ・スロベニア 総合優勝、 山岳賞（第2ステージ優勝）
https://sk.wikipedia.org
ポガチャルを支える存在
3分以上もタイムを失っても戯けて見せたり、チームバス内ではまだまだ子供ではないかと言える仕草を見せたりと、なんとも言えない空気を持つダディ・ポガチャルですが彼もやはり人間…。
落ち込むこともあるそうでそんな時に大きな支えとなってくれる存在がいます。
彼女の名前は
- ウルシュカ・ジガルド
- 現在24歳（ポガチャルより２歳上のお姉さん）
この女性はポガチャルの彼女です。
すらっとしていて美しい女性ですが彼女もまた自転車の選手！
なんとスロベニアのTTチャンピオン！であり、元ミッチェルトンスコットで現在ではチーム バイクエクスチェンジ所属のガチガチのプロロードバイクレーサーです。
「どんなきつい時も彼女が支えてくれる。彼女は僕の全てなんだよ。」ポガチャル氏
と普段から彼女の存在の大きさが分かります。
そして彼女もまた同じロードレーサーという職業ということもあり、苦楽が同じベストなパートナーなのかもしれませんね。
勝利の喜びも同じだけ祝うことができる。
ポガチャルにとってはFTPの９割は彼女の支えのおかげでしょう！
計り知れないポテンシャル！どこまで行けるのか！？
世界最高峰のレースには
- ツール・ド・フランス
- ジロ・デ・イタリア
- ブエルタ・ア・エスパーニャ
の世界3大ツールが存在します。
これらを全て制覇した選手は名実ともに自転車界では伝説となり語り継がれます。
この偉業を成し遂げた選手はこれまでに
- ジャック・アンクティル
- フェリーチェ・ジモンディ
- エディ・メルクス
- ベルナール・イノー
- アルベルト・コンタドール
- ヴィンチェンツォ・ニバリ
- クリス・フルーム
の7人しかおらず、いずれの選手も自転車好きは必ず聞いたことのある名前でしょう。
さらにこの3大ツールを同年のうちに達成した（一年で３タイトル取得）選手はトリプルクラウン呼ばれ、それを達成したのは
エディ・メルクス
ただ一人。※世界選手権は含まず
近年のツールの傾向は山岳ステージの比重が増しており、コースレイアウトも平坦ステージといえど山岳が含まれるようなテクニカルなものが増えています。
さらにTT（タイムトライアル）の重要性も増し選手にとっては過酷なレースへと進化しています。
このようなコースで優位に立つためには山岳とTTが得意でなければいけません。
例え落車やトラブルで大きくタイムを失ったとしても取り返せるチャンスは山岳やTTになることが多く、また勝利を決定づけるような重要な仕掛け場所もここになることが多いためです。
山岳、TTともに次元の違う走りができるポガチャルには期待せずにはいれません！
ポガチャルの強みはこれだけではなく尋常ではない回復力（裏を返せば手の抜きどころを知っている）も合わさります。
この要素を持つポガチャルは真のオールラウンダーと言えるかもしれません。
個人の持つスペックは十分！ですがツールを勝つには
- 財力も含めたチームの支え
- 怪我やトラブルを回避する運の強さ
が確実に必要になってきます。
さぁ時代は彼の背中を押すのか！？
ポガチャルがこの伝説に到達するところを見てみたいものです！
※今回の記事により私はすっかりポガチャルファンとなってしまい、今後も彼を追って記事を更新していきたいと思います！
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