ロードレースにはクラシックと呼ばれる長い自転車の歴史と伝統と格式を有する特別なレースがあります。
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その後大きな変化を生まないままレースは進行、残り55kmを切った頃からポジション争いが生まれ始めレースが混沌とした頃にまたも落車が頻発。残り46km地点でアレクサンデル・アランブル(モビスター チーム、スペイン)、残り35km地点でサム・ベネット(ボーラ・ハンスグローエ、アイルランド)を含む選手が落車し中にはリタイアする選手の姿も…。
250kmもの長い距離を逃げてきた逃げグループも残り27km地点の「チプレッサ」でメイン集団に回収されてしまいます。チプレッサを超えてもレースの流れを変えるアタックは生まれず70人ほどのメイン集団はポジション争いが予想される「ポッジオ」を目指します。
ゴールラインまで残り9km地点に立ちはだかる今大会注目のアタックポイント「ポッジオ」でまず主導権を握ったのは、全大会優勝者マテイ・モホリッチ(スロベニア バーレーン・ヴィクトリアス)、多くのアシストを一気に投入し集団を引き延ばします。
バーレーンコントロールのままレースは展開するかと思いきやティム・ウェレンス(UAEチームエミレーツ、ベルギー)がタデイ・ポガチャル(スロベニア)を先頭へ誘導、すかさずチェックに入るマチュー・ファンデルプール(アルペシン オランダ)、フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)、これに呼応するようにモホリッチ、ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)、ピーダスン(トレック・セガフレード、デンマーク)も続々とポジションを上げ追走。
先頭集団の動きを鋭く観察していたマッテオ・トレンティン(UAEチームエミレーツ、イタリア)がここにきてスピードを落とし中切れ誘発、この動きにより先頭を追うにはきつい展開となりました。
「ポッジオ」頂上まであと1.1kmのところでついにポガチャルがアタック!ポガチャルの鋭いアタックに反応したのは先頭集団の中でもガンナ、マチュー、ワウトの3人。モホリッチ、ピーダスンらはちぎられてしまいます。
エアロロードという乗り物最高のエアロロードは、ライディングの平均速度をグッと高めます。巡航速度の維持はサイクリングの快感でもあり、最高の爽快感を提供してくれます。この巡航速度の向上には空力性能の向上が絶対条件[…]
残り5.5km「ポッジオ」頂上付近で今大会の決定打となるマチューのアタックが炸裂!この凄まじいアタックには誰も反応できずライバルたちに差をつけたのちダウンヒルへ突入、ダウンヒルではワウトが猛追するも縮めるどころかその差は開く一方の展開になりました。
ダウンヒルが終わり平坦区間に入るとタイム差は6秒、残り1kmを切る頃には追走メンバーが互いを牽制し始めマチューに一気に光明が差し始めます。
今大会のフィナーレであるローマ通りに差し掛かる頃には決定的な差が生まれ、勝利を確信したマチューはジャージのファスナーを閉め沿道のファンに最高のファンサービスを贈りつつも自らのミラノ~サンレモ初優勝を祝いつつフィニッシュしました。
今年はシクロクロス世界選手権でもタイトルを獲得しているマチュー、ミラノ~サンレモでの初優勝は62年前の1961年に祖父のレイモン・プリドールも達成しており、世代を超える偉業となりました。もちろん今後のターゲットは北のクラシックをはじめ、パリ~ルーベの優勝も視野に入れていることでしょう。
今年もマチューの活躍を期待せずにはいられません!
優勝 マチュー・ファンデルプール コメント
歴史的にも珍しい世代を超える勝利を掴んだマチューは
「チプレッサでは追い風を確認、チームメートにはポッジオで仕掛けることを伝えたよ。クインテン・ヘルマンスとセーアン・クラーウアナスンが助けてくれたおかげでポジショニングは完璧だったと思う。その後のポッジオではもう少し早めにアタックする予定だったけど、思っていた以上にタイム差がついたのでダウンヒルは安全に行くことを選んだんだ。これまでに3回出場したミラノ~サンレモではなかなか攻めの走りができなかったけど今回はできたと思う。祖父の大会制覇から62年経った今、自分自身も勝てたことを誇りに思うし、本当にうれしいよ。」
と語っています。
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