2021年最速のエベレスティングバイクを紹介!
ローランMCのラフリンはエベレスティングの世界記録を破り新記録を樹立しました。
偉大な記録を打ち立てたバイクは一味違ったカスタマイズが施されています。
一体どんなバイクで記録を達成したのでしょうか?
・エベレスティング
まずはエベレスティングについて少し触れておきます。
・バイクコンセプト

ラフリンはエベレスティングチャレンジにあたり世界中の人々やブランドのサポートを得て、完璧なエベレストバイクを作成するため計画に着手しました。
その際、可能な限り軽量のセットアップを目指したそうです。
しかし同じ場所でチャレンジする場合がほとんどであるエベレスティングチャレンジでは、登りがあれば下りもあります。
下り時間は、登っていない時間ではありますがこの時間でさえも短縮する必要があります。
すなわち重量と空気力学の両方を最適化する必要があります。
- コンポーネントの重量
- 以前のエベレストからのラップタイム
- ギア比
- 理論値
などの膨大なスプレッドシートを作成。
・フレーム

フレームに求める条件は
- 軽量
- エアロダイナミクス
です。
この相反する条件を満たすため世界中に数多くあるフレームから選択されたのは
Giant 2021 リムブレーキ TCR Advanced SL
さらにポジショニングにも徹底的にこだわります。
ポジショニングには、モーションセンサーを用いられ緻密に計測されました。
実際にラフリンが使用したTCRはサイズMで、シートポストをカットする前の重量は772gだそうです。
・ドライブトレイン

ドライブトレインの選択は効率とギア比も考慮する必要があります。
テスト時に最も頻繁に使用されたギアは44:35でしたが、効率改善のため他の歯数も用意されました。
ドライブトレインへのこだわりはギア比だけにとどまりません。
軽量化とチェーン駆動ロスの軽減のためにリアカセットからは3枚のスプロケットが取り外されています。
ウルフトゥースロードリンクを使用することでスプロケットとの干渉問題も解決されています。
変速には軽量な機械式セットアップではなく、分析などの利点からDi2グループセットが選択されました。
Di2にはシフター一体型のR9160タイムトライアルブレーキレバーと組み合わせたR9150リアディレイラーが使用されています。
さらにさらにドライブトレインの効率を追求するため
- ビッグプーリー
- UFO処理されたチェーン
- セラミックボトムブラケット
- ハブベアリング
をセラミックスピード製とし、チャレンジ当日はグリスではなくオイルを塗布するこだわり用です。
・フロントエンド

ハンドル周りも特徴的で標準のステムとデダトライバーとトリリグデルタのセットアップ。
当初の計画より150g程の重量増ではありますが、これにより得ることのできるエアロダイナミクスを優先しています。
しかしこれは安全を保障するものではありません。
・ブレーキ

ディスクブレーキよりも大幅に軽量なリムブレーキを採用を採用し、本体はCane CreeksEEブレーキ。
ペアの重量はわずか172gという超軽量なキャリパーです。
さらにデザインも優秀でステルスチックなTCRの外観にオシャレなアクセントになっています。
・ペダル
ラフリンの足のサイズの関係で当初予定していたスピードプレイ軽量ペダルからWAHOOスピードプレイペダルへ変更。
シューズはGIRO インペリアルシューズを選択しています。
・サドル
CadexBoostサドル プロエディション131mmを採用しています。
軽量なもので言えば93gのAXライトネスのカーボンサドルがありますがクッション性を重視しています。
・ホイール

ホイールはAX Lightness Ultra38T。
タイヤはVittoria Corsa Speed2.0チューブラー。
空気圧はフロント74psi、リア76psiで設定されています。
総重量5.5kgのスペシャルバイク

とてつもないコンセプトとこだわりを反映し製作されたわずか総重量5.5kgの究極のエベレスティング専用バイク。
特にTTスタイルを取り入れているあたりが、下り区間のタイムも競われるエベレスティングならではですね。
皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか?